顕微授精(ICSI)

体外受精では受精が難しそうな場合や受精しなかった場合には、卵子1個に精子1個を直接注入する顕微授精を試みます

顕微授精(ICSI)とは?

『体外受精(IVF)』が卵子と精子を一緒にすることで自然な受精を待つのに対して、顕微授精では卵子の中に精子1個を授けて受精の成立を待ちます。つまり、医療の手で受精に向けてもう一押ししているわけです。もともとは、体外受精では受精にいたらない重症の男性不妊の人のために考案された治療方法なのです。体外受精以上に医療の介入度は高く感じられると思いますが、その分、やはり高い妊娠率が期待できる治療でもあります。

その顕微授精が世の中に登場(1992年)してから、およそ30年がたちました。現在、日本で行われているART治療の6割以上が顕微授精によるものです。自然妊娠と比較しても、障害を持った子どもが生まれる率は変わらず、安全性もほぼ確立したといえそうです。

このようなご夫婦が対象です

(体外受精では、受精が難しそうな人や受精しなかった人が対象になります)

重度の男性不妊 精液中の精子数が極端に少ない重度乏精子症、動きが極端に悪い重度精子無力症などの人。
原因不明の受精障害 また精子の数や動きに問題がなくても、体外受精では受精しないことがまれにある。その原因が、卵子にあるのか(卵子の質が悪い)、精子にあるのか(受精能力がない)は断定できないが、顕微授精で解決するケースも少なくない。

>> 無精子症と診断された方へ

顕微授精(ICSI)の流れ

現在行われている顕微授精のほとんどは、『卵細胞質内精子注入法(ICSI/イクシー)』と呼ばれる方法です。治療の流れは、精子を授ける授精の過程以外は、通常の体外受精と同じです。

体外受精では1個の卵子と数万の精子を一緒にして自然に受精する(媒精)のを待つのに対して、ICSIでは1個の卵子に1個の精子を直接注入し(授精)、受精するのを待ちます。なお、当クリニックでは、2007年より国内でも先駆けて顕微授精の全症例に対し、ピエゾ法(下記)を実施。卵に優しい顕微授精を行い、非常に安定した高水準の実績を出しています。

当クリニックが誇る胚培養室スタッフは、一組でも多くのご夫婦の願いをかなえるべく、日々研鑽を積み、全国平均を上回る妊娠率を達成しています。

  1. 精子頭部の大きさに合わせてピペットの直径を最小化
    精子の頭部の大きさには、個人差があります。そのため、既製品のピペットは大きめの精子に合わせた直径になっており、多くのケースで、ゆとりがある太めの状態となっています。そこで、当クリニックでは、卵子へのダメージを減らするため、患者さま一人一人の精子頭部の大きさに合わせて、その都度、ピペットの直径をできる限り細くしたものを作成しています。

    患者さまの精子の大きさに合わせて山下レディースクリニックで作成したピペット(先端外径約4μm)

    既製品のピペット(先端外径約6μm)

  2. 卵子に優しい安全な顕微授精(ピエゾ法)
    授精を行う際は、採卵した成熟卵子の周りにある顆粒膜細胞をとりのぞき、つるりとした卵子のみの状態にします。次に、ホールディングピペットでそっと卵子を固定して、あらかじめ精子1個を入れておいた極細のピペットを卵子の細胞質の中まで刺し込んで、精子を注入すれば“授精”は完了! あとは、“受精”してくれることを祈るのみです。
    なお従来法(写真1)では、卵子が大きく変形していますが、当クリニックでは、ピエゾマイクロマニュピレータを採用することにより、卵子の変形を少なくした、卵子に優しいICSI(写真)を行っています。

    写真1(従来のICSI)

    写真2(卵子の変形が小さいピエゾ法)

  3. 卵細胞膜の弱い卵子に対する新しい精子注入法
    ダブル・インジェクション法

    日本IVF学会で優秀学術奨励賞を受賞するなど高い評価を受けている、当クリニック開発の精子注入法です。
    卵細胞膜の弱い卵子はICSI後に高い確率で死滅し、今まで具体的な有効策は存在しないという考えが一般的でした。しかし、当院で独自に研究開発された精子注入法を用いることで、そのように弱かったと考えられていた卵子の多くを救済し出産にまで繋げることを可能としています。

山下レディースクリニック

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日本生殖医学会認定
生殖医療専門医
山下 正紀
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