どんな検査?
卵管の通過障害は決定的な不妊原因のひとつですので、卵管の通りを調べる検査は必須!何種類かある中で、最も多く行われているのがこの子宮卵管造影検査です。子宮口から造影剤を流し入れ、時間間隔(当クリニックでは、注入直後と翌日)を開けてレントゲン写真に撮ることで、卵管から腹腔内に拡散していく様子を調べるというもの。
また、子宮卵管造影には治療的な意味も大きく、この検査を受けられた方の約3人に1人は数カ月の間に妊娠しています。
不妊の検査の中では「痛い」といわれているものではありますが、右図のようにバルーンを使う方法で行えば、それほどの苦痛はともないません。当院で受けた方のほとんどは、「思っていたほど痛くなかった」との感想を持っていただけているようです。
いつするの?
2人にベストな治療方法を探るというため、また卵管の通りを改善するためにも、通院開始後できるだけ早い段階に済ませるようにしています。妊娠の可能性のない時期、つまり月経が終わってから排卵が起こるまでの間(低温期)を選んで行ないます(月経7日目~10日目頃)。
何がわかるの?
卵管が通っているかどうかがわかるだけでなく、子宮や子宮の中の形態的な異常なども診断できます。
また、時間が経過しても造影剤が十分に拡散しない場合には、卵管の動きが悪い、すなわち卵管の周囲に癒着が起こっている可能性があると考えます。
【正常に通っている卵管】 | |
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注入時 | 翌日 |
【両側に卵管水腫ができている】 | |
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注入時 | 翌日 |
保険治療で受けられる不妊検査
- 基礎体温
- ホルモン検査
- 子宮卵管造影
- 超音波検査
- 精液検査
- 頸管粘液検査&ヒューナーテスト
- クラミジア検査 ※子宮頸管炎が疑われる場合
- AMHの血液検査 ※ART開始時。以後6ヶ月に1回まで
- HOMA-R(インスリン抵抗性)検査
- 子宮鏡検査 ※子宮内ポリープなどが疑われる場合
- 腹腔鏡検査 ※子宮内膜症などを疑う場合
- 泌尿器科での男性不妊検査
自費治療になる検査
- 抗精子抗体検査
- 風疹抗体&感染症検査