どんな検査?
男性側に不妊原因があるかどうかを調べます。当クリニックでは、より正確に精液の状態を分析することを目的に、精液の自動分析装置『精子運動解析システム(SMAS)』を用いて、精液検査を行っています。 従来の保険診療による精液検査(目視で実施)に比べて、精子の運動速度や直進性など精子の運動性にかかわる、より詳細なデータ解析が可能になりました。
4~5日間の禁欲後に行ないます。マスターベーションで専用の容器に採精してもらった精液を、30分間放置して液化させてから測定します。自宅で採精したものを届けてもらうかたちでも OK。ただし、採精するときはコンドームを使用しないでください(精子を殺してしまう成分が塗られたものがあるため)。
なお、精液の状態には、体調やストレスなどの影響が出やすいので、間をおいて何回か検査を受けてみるべきでしょう。
いつするの?
不妊治療をはじめる場合は、できるだけ早い段階で検査します。初診時に受けてしまおうという場合は、奥さまの妊娠の可能性がない時期(月経期間中、高温期など)に、4~5日間禁欲してからお越しください。
診療日であればいつでも実施可能です。なお、検査のため、ご主人だけが来院される場合は基本的に予約不要ですが、精液検査の結果をご自身でお聞きになりたい場合は、診察予約が必要です。院内での採精をご希望の場合は、午前診の場合は12時、午後診の場合は18時半までのご予約をお取りください。
何がわかるの?
WHOによると、正常とされる精液の状態は以下の通りで、ここからはずれている場合は不妊原因になっていると考えます。精子濃度(1mlの精子数)が2000万個に満たない場合は 乏精子症、精液中に精子がまったく見当たらない場合は無精子症、直線運動している精子が少ない場合は精子無力症 、正常な形態の精子が少ない場合は奇形精子症と診断されます。
どの程度大きく正常な範囲からはずれているかによって、2人に最適な治療方法が変わります。
精液検査で精液所見が悪かった場合には、ぜひ一度、当クリニック内で毎月第一&第三土曜日に開設している男性不妊外来を受診し、泌尿器科医(大阪府四条畷市・畷生会脳神経外科病院 泌尿器科部長・増田裕医師)の診察を受けることをおすすめします。
正常な精液の状態(WHO 2021)
1回に射精される精液の量 | 1.4ml以上 |
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精子濃度(1ml中の精子の数) | 1600万個以上 |
精子の運動率 | 動いている精子が42%以上 |
前進運動率 | 30%以上 |
正常な形態の精子が占める率 | 4%以上 |
生存している精子が占める率 | 54%以上 |
保険治療で受けられる不妊検査
- 基礎体温
- ホルモン検査
- 子宮卵管造影
- 超音波検査
- 精液検査
- 頸管粘液検査&ヒューナーテスト
- クラミジア検査 ※子宮頸管炎が疑われる場合
- AMHの血液検査 ※ART開始時。以後6ヶ月に1回まで
- HOMA-R(インスリン抵抗性)検査
- 子宮鏡検査 ※子宮内ポリープなどが疑われる場合
- 腹腔鏡検査 ※子宮内膜症などを疑う場合
- 泌尿器科での男性不妊検査
自費治療になる検査
- 抗精子抗体検査
- 風疹抗体&感染症検査