どんな検査?
超音波検査には、おなかの上から超音波を当てる経腹超音波検査と、腟内に入れたプローブから超音波を出す経腟超音波検査の2種類がありますが、不妊治療にはより近くから卵巣や子宮を観察できる経腟超音波が向いています。
卵巣や子宮に異常がないかを調べるほか、卵胞のサイズや数を確認したり、子宮内膜の厚さや画像パターンを観察したりします。 今やこの経膣超音波検査なくして、不妊治療はありえません。
いつするの?
初診時以降、通院のたびにほぼ毎回行なうと思ってもらったほうがよいでしょう(排卵時期には集中的に実施)。
何がわかるの?
子宮の形態異常、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮内膜形成不全などの子宮のトラブル、卵巣嚢腫やチョコレート嚢胞、多嚢胞性卵巣(PCO)などの卵巣のトラブルを診断するのに有効です。
また、卵胞のサイズから、排卵の時期を正確に予測することができます。さらに連続して検査することで、きちんと卵胞が破裂して排卵が起こったかどうかもわかります。実は超音波検査で、卵子が排卵されることなく黄体化してしまう黄体化非破裂卵胞(LUFルフ)が見つかることがあるのです。黄体ができると黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されて体温が上がるため、基礎体温の変化だけからは正常に排卵したように見えるという、まったく自覚できないクセモノの無排卵。誰にでも起こる珍しくはない事態なのですが、中にはLUFが毎周期のように起こってしまい無排卵が続くケースもあります。
子宮内膜については、通常、排卵時期になると『木の葉状パターン』と呼ばれる特徴的な超音波画像を示します。この時期、木の葉状パターンが見られず、厚さが8ミリ未満しかない場合は、着床が難しいと考えられます。
卵巣刺激でたくさんの卵胞ができた卵巣 | 排卵時期の子宮内膜が示す 『木の葉状パターン』 |
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保険治療で受けられる不妊検査
- 基礎体温
- ホルモン検査
- 子宮卵管造影
- 超音波検査
- 精液検査
- 頸管粘液検査&ヒューナーテスト
- クラミジア検査 ※子宮頸管炎が疑われる場合
- AMHの血液検査 ※ART開始時。以後6ヶ月に1回まで
- HOMA-R(インスリン抵抗性)検査
- 子宮鏡検査 ※子宮内ポリープなどが疑われる場合
- 腹腔鏡検査 ※子宮内膜症などを疑う場合
- 泌尿器科での男性不妊検査
自費治療になる検査
- 抗精子抗体検査
- 風疹抗体&感染症検査