どんな検査?
HOMA-R検査とは、以下の(1)~(3)の『多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)』の傾向が見られる場合に実施している、インスリン抵抗指数(Homeostasis Model Assessment insulin Resistance)を測る血液検査で、健康保険が適応されます。
- 月経周期が長い、無月経、無排卵周期症などの月経異常
- ホルモン検査(基礎値)で、黄体化ホルモン(LH)が卵胞刺激ホルモン(FSH)よりも高値。もしくは血中男性ホルモン高値
- 超音波検査で、卵巣表層に小さな卵胞が連なって並んでいるネックレスサインが確認できる
いつするの?
検査時期は選びませんが、採血の6時間以上前から絶食し、水分をとる場合は、水、お茶など、糖分が含まれないものに限定する必要があります。
何がわかるの?
インスリンは、排卵機構において重大な影響を持つホルモンであることが知られています。ところが、PCOSの方の中には、インスリン抵抗性が高い方がみられます。すなわち、インスリンへの感受性が低いということになりますので、正常値とされるインスリンの量では血糖を下げきれないために、インスリンが分泌過多となり、間接的に排卵障害をまねくケースがあるのではないかといわれています。
そこで、HOMA-Rの値が高かった方には、インスリン感受性薬剤のメトフォルミン製剤『グリコラン』を処方しています。効果は限定的ではありますが、無排卵だった方に自然な排卵がみられるようになったり、長かった月経周期が整ってきたり、排卵誘発剤への反応性がよくなったりするケースもみられます。
保険治療で受けられる不妊検査
- 基礎体温
- ホルモン検査
- 子宮卵管造影
- 超音波検査
- 精液検査
- 頸管粘液検査&ヒューナーテスト
- クラミジア検査 ※子宮頸管炎が疑われる場合
- AMHの血液検査 ※ART開始時。以後6ヶ月に1回まで
- HOMA-R(インスリン抵抗性)検査
- 子宮鏡検査 ※子宮内ポリープなどが疑われる場合
- 腹腔鏡検査 ※子宮内膜症などを疑う場合
- 泌尿器科での男性不妊検査
自費治療になる検査
- 抗精子抗体検査
- 風疹抗体&感染症検査